住宅・不動産のお金の用語集
住宅を買う・借りる・相続するときに出てくるお金と不動産の言葉を、一級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP®・宅地建物取引士の菊池が、家を買う流れの順にやさしく解説します。制度の内容は2026年10月時点のものです。
分野から探す
五十音から探す
- あ
- 空き家の3,000万円特別控除、頭金・自己資金、遺留分、印紙税
- か
- 火災保険・地震保険、借入可能額、借り換え、完済時年齢、管理費・修繕積立金、元利均等返済・元金均等返済、キャッシュフロー表・ライフプラン、共有名義、居住用財産の3,000万円特別控除、区分所有・管理組合、繰り上げ返済、契約不適合責任、建ぺい率・容積率、固定金利期間選択型、固定資産税・都市計画税、5年ルール・125%ルール
- さ
- 財形住宅融資、借地権、諸費用、新耐震基準、事前審査・本審査、住宅取得等資金の贈与の非課税、住宅ローン控除、重要事項説明、成年後見制度、セットバック、接道義務・再建築不可、全期間固定金利・フラット35、相続時精算課税・暦年課税、相続登記の義務化
- た
- 大規模修繕、団体信用生命保険(団信)、仲介手数料、長期金利・短期金利、つなぎ融資、坪・平米、抵当権、手付金、手取り収入(可処分所得)、店頭金利・適用金利(金利の優遇)、登記・持分、登録免許税
- な
- 年収倍率
- は
- ハザードマップ・土砂災害警戒区域、引き渡し・決済、不動産取得税、返済負担率、変動金利、ペアローン・収入合算、保証料・事務手数料、ボーナス返済
- や
- 用途地域、擁壁
- ら
- リースバック・リバースモーゲージ、路地状敷地(旗竿地)
① 予算・資金計画
頭金・自己資金あたまきん・じこしきん
住宅の購入代金のうち、住宅ローンを使わずに手持ちのお金で払う部分です。
頭金が多いほど借りる額が減り、毎月の返済額と利息の合計を抑えられます。頭金なしで借りられるローンもありますが、登記費用や仲介手数料などの諸費用は現金で払うのが基本です。「頭金」は物件代金に充てるお金、「自己資金」は諸費用も含めて用意する手持ちのお金全体を指すことが多い言葉です。
菊池のひとこと:貯金をすべて頭金に回すと、引っ越しや家具、急な出費に困ります。生活費の半年分ほどは手元に残しておきましょう。
諸費用しょひよう
物件の代金以外に、住宅の購入でかかる費用の総称です。
仲介手数料、登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、住宅ローンの手数料や保証料、火災保険料、印紙税、固定資産税の精算金、不動産取得税などがあります。新築でおおむね物件価格の3〜7%、仲介で買う中古住宅で6〜10%が目安とされます。
菊池のひとこと:見積もりに入っていない費用(引っ越し、カーテン・照明、リフォーム)も別に用意しておくと安心です。
返済負担率へんさいふたんりつ
年収に対する、住宅ローンなどの年間返済額の割合です(返済比率ともいいます)。
住宅ローンだけでなく、車のローンやカードローンなど、ほかの借入れの返済額も合計して計算します。フラット35の審査では、年収400万円未満で30%、400万円以上で35%が上限です。民間の金融機関は、実際の金利より高い「審査金利」で計算するのが一般的で、基準は金融機関ごとに違います。
菊池のひとこと:審査に通る上限と、無理なく返せる額は別物です。手取り年収の25%以内を一つの目安にしてください。
借入可能額かりいれかのうがく
年収や返済負担率などから計算した、住宅ローンで借りられる金額の上限です。
年収、ほかの借入れ、返済期間、審査に使う金利、年齢(完済時の年齢)などで決まります。金融機関が示す借入可能額は「貸せる額」で、家計にとって「返せる額」とは限りません。教育費や老後資金も含めて考える必要があります。
菊池のひとこと:借入可能額いっぱいの物件を探すと、その後の家計がずっと苦しくなりがちです。先に「毎月いくらなら返せるか」を決めてから物件を探しましょう。
キャッシュフロー表・ライフプランきゃっしゅふろーひょう・らいふぷらん
これから先の家族の予定と、毎年の収入・支出・貯蓄残高の見通しを一覧にした表です。
ライフプランは、結婚・出産・進学・住宅購入・退職など、人生の予定を描いたものです。それをお金の流れに直したものがキャッシュフロー表で、ファイナンシャルプランナーが相談で使う基本の道具です。住宅ローンを払いながら教育費や老後資金が足りるかを、年ごとに確かめられます。
菊池のひとこと:貯蓄残高がマイナスになる年があれば、借入額・返済期間・頭金を見直すサインです。
年収倍率ねんしゅうばいりつ
住宅の価格が年収の何倍にあたるかを表す数字です。
住宅価格÷年収で計算し、住宅の買いやすさや予算の目安として使われます。かつては「年収の5倍程度まで」がよく言われた目安でしたが、住宅価格の上昇で倍率は高くなる傾向があります。同じ倍率でも、金利・返済期間・頭金・家族構成によって家計への負担は大きく変わります。
菊池のひとこと:年収倍率は全体の傾向を見る数字です。ご自分の予算は、返済負担率とキャッシュフロー表で確かめてください。
手取り収入(可処分所得)てどりしゅうにゅう・かしょぶんしょとく
額面の収入から、税金(所得税・住民税)と社会保険料を引いた、実際に使えるお金のことです。
会社員の場合、手取りは額面年収のおおむね75〜80%程度で、年収が高いほど割合は下がります。住宅ローンの審査は額面年収で行われますが、毎月の返済は手取りから払います。そのため、無理なく返せるかは手取りで考えることが大切です。
菊池のひとこと:同じ年収でも、社会保険料の負担はこの十数年で重くなり、手取りの割合は下がっています。昔の目安のままで借入額を決めないようにしましょう。
② 住宅ローンの種類と金利
変動金利へんどうきんり
借りている途中で、世の中の金利に合わせて金利が見直されるタイプの住宅ローンです。
多くの金融機関で金利は年2回見直され、短期金利(日本銀行の政策金利など)の動きに影響されます。固定金利より当初の金利は低いことが多い一方、将来上がれば返済額が増えるリスクがあります。返済額の急な増加を抑える「5年ルール・125%ルール」を設けている金融機関もあります。
菊池のひとこと:金利が上がっても家計が回るか、1〜2%上がった場合の返済額を事前に計算しておくと安心です。
固定金利期間選択型こていきんりきかんせんたくがた
最初の一定期間(3年・5年・10年など)だけ金利が固定され、その後に金利を選び直すタイプです。
固定期間中は返済額が変わりません。期間が終わると、その時点の金利で固定期間か変動金利を選び直します。期間終了後は、当初の金利の優遇幅が小さくなり、返済額が大きく増えることがあるので注意が必要です。
菊池のひとこと:「10年固定」は10年後の金利が分からない商品です。固定期間が終わるころの家計(教育費のピークなど)と重ねて考えましょう。
全期間固定金利・フラット35ぜんきかんこていきんり・ふらっとさんじゅうご
借りた時点の金利が、返し終わるまで変わらないタイプの住宅ローンです。代表的なものがフラット35です。
フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して扱う、最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。返済額が最後まで変わらないので計画が立てやすい一方、変動金利より金利は高めです。住宅が機構の技術基準に合っていることの証明が必要です。
菊池のひとこと:フラット35の金利は毎月初めに発表されます。最新の動きは下の記事で毎月更新しています。
長期金利・短期金利ちょうききんり・たんききんり
長期金利は10年物国債の利回り、短期金利は日本銀行の政策金利など1年未満の金利のことです。
住宅ローンの固定金利は長期金利の動きに、変動金利は短期金利の動きに影響されます。長期金利は物価や景気の見通しで毎日動き、短期金利は日本銀行の金融政策決定会合で決まります。
菊池のひとこと:固定金利が上がり始めたのに変動金利が動かない時期があるのは、この2つの金利の動きが違うためです。
5年ルール・125%ルールごねんるーる・ひゃくにじゅうごぱーせんとるーる
変動金利の住宅ローンで、返済額の急な増加を抑えるための仕組みです。
元利均等返済の変動金利では、金利が上がっても返済額は5年間変わらず(5年ルール)、5年後に見直すときも前の返済額の1.25倍までしか上がりません(125%ルール)。ただし、返済額が変わらない間は利息の割合が増え、元金の減りが遅くなります。最後まで払いきれない利息(未払利息)が出ることもあり、すべての金融機関にある仕組みではありません。
菊池のひとこと:「返済額が変わらないから安心」ではありません。年1回届く返済予定表で、元金がきちんと減っているか確かめてください。
ペアローン・収入合算ぺあろーん・しゅうにゅうがっさん
夫婦や親子など2人の収入を合わせて、住宅ローンを借りる方法です。
ペアローンは2人がそれぞれ1本ずつローンを組み、互いに連帯保証人になる方法で、住宅ローン控除と団信は2人とも使えます。収入合算は1本のローンに2人の収入を合わせる方法で、「連帯債務」(2人とも返済の義務を負う)と「連帯保証」(主に1人が借り、もう1人は保証人になる)があります。連帯保証では、保証人になった人は住宅ローン控除を使えません。
菊池のひとこと:借りられる額は増えますが、どちらかが働けなくなったときや離婚のときに問題になりやすい借り方です。登記の持分とあわせて決めましょう。
店頭金利・適用金利(金利の優遇)てんとうきんり・てきようきんり
店頭金利は金融機関が決める住宅ローンの基準の金利、適用金利は実際に借りる人にかかる金利です。
多くの住宅ローンでは、店頭金利から一定の幅を引いた金利(優遇金利)が適用されます。借りている間ずっと同じ幅を引く「全期間優遇」と、最初の数年だけ大きく引く「当初優遇」があります。変動金利で店頭金利が上がると、優遇の幅はそのままでも適用金利は上がります。
菊池のひとこと:広告の金利は、条件をすべて満たしたときの最も低い金利です。自分にどの金利が適用されるかは、審査の結果で確かめましょう。
つなぎ融資つなぎゆうし
注文住宅などで、住宅ローンが実行される前に必要な土地代や工事代金を払うための、一時的な借入れです。
住宅ローンは原則として建物が完成して引き渡されるときに実行されるため、それより前に払う土地代・着工金・中間金を、つなぎ融資でまかなうことがあります。住宅ローンより金利や手数料が高めで、利息は借りている期間だけかかります。金融機関によっては、住宅ローンを何回かに分けて実行する「分割実行」で対応できる場合もあります。
菊池のひとこと:注文住宅は、工事代金を払う時期と金額を建築会社との契約書で確かめ、つなぎ融資の費用も予算に入れておきましょう。
財形住宅融資ざいけいじゅうたくゆうし
勤務先の財形貯蓄を1年以上続けている人が、住宅を買うときに利用できる公的な住宅ローンです。
財形貯蓄の残高が50万円以上あることなどが条件で、財形貯蓄の残高の10倍(最高4,000万円)まで借りられます。金利は5年ごとに見直される5年固定金利です。民間の住宅ローンやフラット35と組み合わせて使うこともできます。
菊池のひとこと:勤務先に財形制度があるかどうかは、意外と知られていません。会社員の方は、住宅手当や社内融資とあわせて、勤務先の制度を一度確認してください。
③ 返済
元利均等返済・元金均等返済がんりきんとうへんさい・がんきんきんとうへんさい
元利均等返済は毎月の返済額が一定の返し方、元金均等返済は毎月同じ額の元金に利息を足して返す返し方です。
元利均等返済は住宅ローンでいちばん多く、毎月の額が一定で計画を立てやすい一方、返し始めは利息の割合が大きく元金がなかなか減りません。元金均等返済は最初の返済額が多いものの、元金が早く減るので、同じ条件なら返す利息の合計は少なくなります。
菊池のひとこと:元金均等返済は最初の返済が重いぶん、審査や家計の余裕が必要です。どちらが得かより、返し始めの数年を無理なく払えるかで選びましょう。
繰り上げ返済くりあげへんさい
毎月の返済とは別に、住宅ローンの元金の一部や全部を前倒しで返すことです。
返済期間を短くする「期間短縮型」と、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。同じ金額なら、期間短縮型のほうが減る利息は多くなります。手数料は金融機関や手続きの方法(インターネットか窓口か)で違います。
菊池のひとこと:住宅ローン控除を受けている間は、繰り上げ返済で年末残高が減ると控除額も減ります。控除の金額と金利を比べてから判断してください。教育費など近い将来の出費の分は残しておきましょう。
借り換えかりかえ
今の住宅ローンを、別の金融機関の新しい住宅ローンで返し、乗り換えることです。
金利の低いローンに乗り換えると、総返済額を減らせることがあります。一方で、事務手数料・保証料・抵当権の登記費用などで数十万円かかることがあります。金利差、ローンの残りの期間、残高を見て、諸費用を払っても得になるかを計算します。
菊池のひとこと:同じ金融機関に金利の引き下げを相談すると、借り換えなくても応じてもらえる場合があります。借り換えた後も、住宅ローン控除は条件を満たせば続けて受けられます。
ボーナス返済ぼーなすへんさい
毎月の返済とは別に、ボーナスの時期(年2回)に上乗せして返済する方法です。
ボーナス返済を組み合わせると、毎月の返済額を少なくできます。フラット35では借入額の40%まで、金融機関によって割合の上限があります。ただし、ボーナスが減ったり出なかったりしても返済額は変わらないため、収入が減ったときに家計が苦しくなりやすい返し方です。
菊池のひとこと:ボーナスは会社の業績で変わるお金です。ボーナス返済はできるだけ使わず、余裕があれば繰り上げ返済に回すほうが安心です。
完済時年齢かんさいじねんれい
住宅ローンを最後まで返し終えるときの年齢です。
多くの金融機関では、完済時の年齢を80歳未満(または80歳まで)としています。たとえば40歳で35年ローンを組むと、完済は75歳です。審査では、定年後の収入で返済が続けられるかも見られます。
菊池のひとこと:定年のときにローンがいくら残っているかを必ず計算してください。退職金で返すつもりなら、老後資金が足りなくならないかもあわせて確認しましょう。
④ 審査・保険
事前審査・本審査じぜんしんさ・ほんしんさ
住宅ローンを借りるために金融機関が行う審査で、売買契約の前に事前審査、契約の後に本審査を受けるのが一般的です。
事前審査(仮審査)は年収や勤務先、ほかの借入れなどで借りられそうかを確かめるもので、数日〜1週間ほどで結果が出ます。本審査では、健康状態(団信に入れるか)や物件の担保価値も含めて詳しく審査されます。売買契約には、ローンが通らなかったときに契約を白紙に戻せる「融資特約(ローン特約)」を付けるのが一般的です。
菊池のひとこと:カードローンや分割払いの残り、携帯電話の端末代の支払い遅れも審査に影響します。申し込む前に整理しておきましょう。
団体信用生命保険(団信)だんたいしんようせいめいほけん
住宅ローンを借りた人が亡くなったときなどに、保険金でローンの残りが返される保険です。
多くの民間金融機関では、団信への加入が住宅ローンを借りる条件になっています。保険料は金利に含まれていることが多く、がんなどの病気も対象にする団信は金利が上乗せされます。健康状態によっては加入できず、ローンを借りられないこともあります。
菊池のひとこと:団信に入ると、生命保険の死亡保障を減らせる場合があります。住宅購入は保険を見直すよいタイミングです。
火災保険・地震保険かさいほけん・じしんほけん
火災保険は火事や風水害による建物・家財の損害に、地震保険は地震・噴火・津波による損害に備える保険です。
住宅ローンを借りるときは、火災保険への加入を求められるのが一般的です。地震による火事や倒壊は火災保険では補償されないため、地震保険を付ける必要があります。地震保険は火災保険とセットで入り、保険金額は火災保険の30〜50%(建物5,000万円・家財1,000万円が上限)です。水害の補償を付けるかは、ハザードマップで住まいの場所を確かめて決めます。
菊池のひとこと:阪神・淡路大震災のあと、神戸市で建物の倒壊状況の調査に携わりました。地震保険は、生活を立て直すための備えとして検討をおすすめします。
保証料・事務手数料ほしょうりょう・じむてすうりょう
住宅ローンを借りるときに、保証会社や金融機関に払う費用です。
保証料は、返済が滞ったときに保証会社が代わりに返済するための費用で、借りるときに一括で払う方法と、金利に上乗せする方法があります。保証料がかからない代わりに、借入額の2%程度の事務手数料がかかる住宅ローンも増えています。保証会社が代わりに返済しても借金がなくなるわけではなく、今度は保証会社に返すことになります。
菊池のひとこと:金利だけでなく、保証料・事務手数料も含めた総額で住宅ローンを比べましょう。繰り上げ返済で一括払いの保証料が一部戻ることもあります。
抵当権ていとうけん
住宅ローンを返せなくなったときに、金融機関がその土地・建物を売って貸したお金を回収できる権利です。
住宅ローンを借りると、買った土地と建物に金融機関(または保証会社)の抵当権が登記されます。返済が続いている間は、そのまま住み続けられます。完済しても抵当権は自動的には消えないため、金融機関から書類を受け取って「抵当権抹消登記」を申請する必要があります。
菊池のひとこと:完済後に抹消登記を忘れたままの家を、相続のときに見かけることがあります。古い抵当権が残っていると売るときに手間がかかるので、完済したらすぐ手続きしましょう。
⑤ 税金・控除
住宅ローン控除じゅうたくろーんこうじょ
住宅ローンを使って家を買ったときに、年末のローン残高の0.7%を所得税(引ききれない分は住民税)から差し引ける制度です。
2030年までに入居した人が対象です(2026年10月時点)。控除を受けられる期間と、対象になるローン残高の上限は、新築か中古か、省エネ性能、子育て世帯・若者夫婦世帯かどうかで変わります。主な条件は、床面積50㎡以上(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上)、合計所得2,000万円以下、借入期間10年以上などです。1年目は確定申告、会社員は2年目から年末調整で手続きします。
菊池のひとこと:省エネ性能を証明する書類がないと、控除の上限が大きく下がることがあります。契約前に、売主や建築会社に証明書を出してもらえるか確認しましょう。
固定資産税・都市計画税こていしさんぜい・としけいかくぜい
毎年1月1日時点で土地や建物を持っている人に、市区町村がかける税金です。
税額は、市区町村が決める固定資産税評価額などをもとに計算し、固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は0.3%が上限です。住宅が建っている土地は税金が軽くなる特例があり、一定の新築住宅は建物の固定資産税が数年間減額されます(期限や条件は税制改正で変わるため、市区町村で確認してください)。売買では、その年の税金を引き渡し日で日割りして、売主と買主で精算するのが一般的です。
菊池のひとこと:カーポートや物置でも、条件によっては課税されることがあります。新しく建てたら、納税通知書の内容を確かめておきましょう。
住宅取得等資金の贈与の非課税じゅうたくしゅとくとうしきんのぞうよのひかぜい
父母や祖父母から住宅を買うためのお金をもらったとき、一定額まで贈与税がかからない特例です。
非課税になるのは、省エネなどの基準を満たす住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円までです。もらう人が18歳以上で、合計所得2,000万円以下であることなどが条件です。適用期限は2026年12月31日までの贈与です(2026年10月時点。延長されるかは税制改正で確認が必要です)。税金がかからない場合でも、翌年の贈与税の申告が必要です。
菊池のひとこと:申告を忘れると特例が使えません。また、親の土地に子が家を建てる場合など、お金以外の形でも贈与になることがあるので注意してください。
不動産取得税ふどうさんしゅとくぜい
土地や建物を買ったり建てたりしたときに、一度だけかかる都道府県の税金です。
税率は本来4%ですが、土地と住宅は2027年3月末まで3%に下げられ、宅地は課税の元になる価格が2分の1になる特例があります(2026年10月時点)。一定の新築住宅や中古住宅は、建物の価格から一定額を差し引けるため、税金がかからないことも多くあります。入居して数か月後に納税通知書が届きます。
菊池のひとこと:軽減を受けるには申告が必要な場合があります。忘れたころに届く税金なので、引っ越し後の出費として予定しておきましょう。
登録免許税とうろくめんきょぜい
土地や建物の登記をするときにかかる国の税金です。
所有権の登記や、住宅ローンの抵当権の登記をするときに払います。税額は固定資産税評価額や借入額に税率をかけて計算します。住宅用の家屋には、所有権の保存登記0.15%、移転登記0.3%、抵当権の設定登記0.1%などに税率を下げる期限付きの特例があります(2026年10月時点)。通常は司法書士報酬とあわせて決済の日に払います。
菊池のひとこと:特例を受けるには、市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」が必要です。司法書士に、特例を使った見積もりかどうかを確認しましょう。
印紙税いんしぜい
売買契約書やローンの契約書などの文書を作ったときにかかる国の税金で、収入印紙を貼って納めます。
税額は契約書に書かれた金額で決まります。不動産の売買契約書と工事請負契約書は税額を下げる特例があり、たとえば1,000万円を超え5,000万円以下の売買契約書は1万円です(2027年3月末までの契約書。2026年10月時点)。電子契約で書面を作らない場合は、印紙税はかかりません。
菊池のひとこと:売主と買主がそれぞれ契約書を持つ場合は、2通分の印紙税がかかります。どちらが原本を持つかで負担を減らせることもあります。
相続時精算課税・暦年課税そうぞくじせいさんかぜい・れきねんかぜい
生前に財産をもらったとき(贈与)の税金の計算方法で、暦年課税と相続時精算課税のどちらかを選びます。
暦年課税は、1年間(1月〜12月)にもらった財産が110万円以下なら贈与税がかからない方法です。ただし、亡くなる前の一定期間(段階的に7年まで延長)の贈与は相続税の計算に足し戻されます。相続時精算課税は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べ、毎年110万円までは非課税、それを超えても累計2,500万円までは贈与税がかからず、亡くなったときに相続税で精算する方法です。
菊池のひとこと:相続時精算課税を一度選ぶと、その人からの贈与で暦年課税には戻れません。住宅資金の贈与の非課税の特例と組み合わせるときは、税理士にも相談して選びましょう。
⑥ 契約・取引
仲介手数料ちゅうかいてすうりょう
不動産会社の仲介で売買や賃貸の契約が成立したときに、不動産会社に払う報酬です。
売買の仲介手数料は法律で上限が決まっていて、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です。800万円以下の空き家などは、例外として最大30万円(+消費税)まで受け取れます。売主から直接買う新築分譲住宅などでは、仲介手数料はかかりません。
菊池のひとこと:上限は「ここまで受け取ってよい」という額です。支払いの時期(契約時と引き渡し時に半分ずつなど)も事前に確認しましょう。
手付金てつけきん
売買契約を結ぶときに、買主が売主に払うお金です。代金の一部に充てられます。
多くの場合「解約手付」の意味を持ち、相手が契約の実行に取りかかるまでは、買主は手付金を手放して、売主は手付金の倍額を払って、契約をやめることができます。売主が不動産会社の場合、手付金は代金の20%までと決められています。
菊池のひとこと:住宅ローンが通らなかったときに手付金が戻るかは、融資特約(ローン特約)の書き方で決まります。契約書のこの部分は必ず読んでください。
重要事項説明じゅうようじこうせつめい
売買や賃貸の契約の前に、宅地建物取引士が物件や契約条件の大切な点を説明することです。
宅地建物取引業法で、不動産会社に義務づけられています。登記の内容、法令上の制限(用途地域や建ぺい率など)、道路との関係、水道・ガスなどの設備、ハザードマップでの位置、契約の解除の条件などを、書面(重要事項説明書)を使って説明します。オンラインで説明を受けることもできます。
菊池のひとこと:契約の当日に初めて説明を聞くと、分からないまま署名しがちです。重要事項説明書の案文は、数日前にもらって読んでおきましょう。
登記・持分とうき・もちぶん
登記は土地や建物の持ち主などを法務局の記録に載せること、持分は共有している人それぞれの所有の割合です。
家を買ったら所有権の登記をし、住宅ローンを借りれば金融機関の抵当権も登記されます。夫婦などで共有する場合の持分は、それぞれが出したお金(頭金とローンの負担)の割合に合わせるのが基本です。出したお金と持分がずれていると、その差が贈与とみなされることがあります。
菊池のひとこと:持分は後から変えると税金や費用がかかります。ペアローンや収入合算で借りるときは、借り方と持分をセットで決めましょう。
共有名義きょうゆうめいぎ
1つの土地や建物を、2人以上で共同して持つことです。
夫婦で住宅ローン控除を2人分受けられるなどの利点がある一方、売る・建て替える・大きく貸すといった判断には、原則として共有者全員の同意が必要です。共有者が亡くなると相続人に持分が分かれ、共有者が増えて話がまとまりにくくなります。
菊池のひとこと:親子・兄弟での共有は、代替わりで関係が複雑になりやすく、早めに解消を考えたほうがよいケースが多くあります。
契約不適合責任けいやくふてきごうせきにん
引き渡された物件が、種類・品質・数量などの点で契約の内容と違っていたときに、売主が負う責任です。
2020年4月の民法改正で、それまでの「瑕疵担保責任」から変わりました。買主は、修理(追完)、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められます。売主が不動産会社の場合は引き渡しから2年以上の責任期間が必要で、個人が売主の中古住宅では、責任を負わない・期間を短くする特約が付くことが多くあります。新築住宅は、柱や基礎など構造の主な部分と雨漏りについて、売主が10年間責任を負います。
菊池のひとこと:「契約の内容と違う」かどうかが争点になるため、雨漏りや設備の不具合など、分かっている点は契約書や付帯設備表に書いておくことが大切です。
引き渡し・決済ひきわたし・けっさい
残りの代金を払い、所有権の登記の手続きと鍵の受け取りを同じ日に行う、売買の最後の手続きです。
通常は買主が住宅ローンを借りる金融機関に、売主・買主・不動産会社・司法書士が集まって行います。住宅ローンが実行され、残代金・固定資産税の精算金・諸費用を払い、司法書士が登記を申請し、鍵を受け取ります。決済の前には、物件が契約どおりの状態かを現地で確認しておきます。
菊池のひとこと:決済の当日は、本人確認書類・実印・印鑑証明書など必要なものが多くあります。前もって司法書士から届く案内で持ち物を確認しましょう。
⑦ 土地・建物の調べ方
用途地域ようとちいき
都市計画で決められた、その場所に建てられる建物の種類や大きさのルールです。
住居系8種類、商業系2種類、工業系3種類の、全部で13種類があります。たとえば「第一種低層住居専用地域」では低い住宅が中心で、店や事務所は制限されます。用途地域ごとに、建ぺい率・容積率や建物の高さの上限も決まります。市区町村の都市計画図(インターネットで見られる自治体も多い)で調べられます。
菊池のひとこと:今は静かな住宅街でも、用途地域によっては将来、隣に店舗や高い建物が建つことがあります。周りの土地の用途地域も確認しましょう。
建ぺい率・容積率けんぺいりつ・ようせきりつ
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合です。
たとえば100㎡の土地で建ぺい率60%・容積率200%なら、建築面積60㎡まで、延べ床面積200㎡までの建物が建てられます。上限は用途地域などで決まり、前面の道路の幅が12m未満の場合は、道路の幅によって容積率がさらに小さくなることがあります。
菊池のひとこと:今の建物が上限を超えている(既存不適格・違反建築)と、建て替えるときに同じ大きさの家が建たず、住宅ローンが組みにくいこともあります。
接道義務・再建築不可せつどうぎむ・さいけんちくふか
建物を建てる敷地は、原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないというルールです。満たさない土地は建て替えができず「再建築不可」と呼ばれます。
建築基準法で決められています。再建築不可の物件は相場より安く売られていますが、住宅ローンが組みにくく、売るときも買い手が限られます。幅4m未満の道路に面した土地では、道路の中心から2m下がった位置までしか建てられない「セットバック」が必要なこともあります。
菊池のひとこと:見た目は道路に面していても、法律上の「道路」でない通路のことがあります。役所で道路の種類を調べてから判断してください。
擁壁ようへき
高低差のある土地で、土が崩れないように支えるための壁です。
鉄筋コンクリート造のものから、古い石積みやブロック積みまであります。古い擁壁や、ブロックを継ぎ足した擁壁は、強度が足りないことがあります。擁壁の近くに家を建てる場合や建て替える場合、自治体の「がけ条例」によって、擁壁のやり直しや建物の位置の制限が必要になり、数百万円以上かかることもあります。
菊池のひとこと:神戸市のような坂の多い地域では、擁壁の状態が土地の値打ちを大きく左右します。ひび割れ・傾き・水抜き穴の有無を確かめ、役所で擁壁の許可や検査の記録が残っているか調べましょう。
ハザードマップ・土砂災害警戒区域はざーどまっぷ・どしゃさいがいけいかいくいき
ハザードマップは洪水や土砂災害などの危険がある場所を示した地図、土砂災害警戒区域は法律にもとづいて指定された、土砂災害のおそれがある区域です。
不動産の売買や賃貸の重要事項説明では、水害ハザードマップでの物件の位置を説明することが義務になっています。土砂災害のおそれがある区域は「警戒区域(イエローゾーン)」と、建物の構造などに制限がかかる「特別警戒区域(レッドゾーン)」に分かれます。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や市区町村のサイトで調べられます。
菊池のひとこと:災害の危険がある土地は、安くても選ばないのが基本です。保険料や将来の売りやすさにも影響します。
坪・平米つぼ・へいべい
坪と平米(平方メートル、㎡)は面積の単位で、1坪は約3.31㎡です。
1坪=約3.30578㎡、1㎡=約0.3025坪です。登記や重要事項説明では㎡が使われますが、土地の広告や会話では今も坪がよく使われます。「坪単価」は、価格を坪数で割った1坪あたりの値段です。
菊池のひとこと:マンションの広告の面積は「壁の中心」で測った面積で、登記の面積(壁の内側)より少し広くなります。住宅ローン控除の床面積の条件は登記の面積で判断します。
セットバックせっとばっく
幅4m未満の道路に面した土地で、道路の中心から2mの位置まで敷地を下げ、その部分を道路として空けることです。
建築基準法で道路とみなされる幅4m未満の道(いわゆる2項道路)に面した土地では、建て替えのときにセットバックが必要です。下げた部分には建物や塀を作れず、建ぺい率・容積率を計算するときの敷地面積にも入りません。道路の反対側が川やがけの場合は、反対側から4m下げる必要があります。
菊池のひとこと:広告の土地面積に、セットバックする部分が含まれていることがあります。実際に建物を建てられる面積を確かめましょう。
路地状敷地(旗竿地)ろじじょうしきち・はたざおち
道路から細い通路(路地)を通って奥に入る形の土地で、形が旗と竿に似ていることから旗竿地とも呼ばれます。
路地の部分で接道義務(道路に2m以上接すること)を満たす必要があります。自治体の条例で、路地が長い場合はより広い幅を求められたり、建てられる建物が制限されたりすることがあります。周りの土地より価格が安い一方、日当たり・車の出し入れ・工事のしやすさに影響します。
菊池のひとこと:路地の幅が途中で2mを下回っていないか、路地の部分に他人の持分や越境物がないかを、測量図と現地で確認しましょう。
新耐震基準しんたいしんきじゅん
1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用されている、地震に対する建築基準法の基準です。
震度6強〜7程度の大地震でも倒壊しないことを目標にした基準です。それより前の「旧耐震基準」の建物は、耐震診断や補強が必要な場合があります。木造住宅は、2000年6月に壁の配置や金物の基準がさらに強化されました。中古住宅の住宅ローン控除では、1982年以降に建てられた住宅は新耐震基準に合っているものとみなされます。
菊池のひとこと:築年ではなく「建築確認を受けた日」で判断します。1981〜1982年ごろの建物は、確認済証や登記の日付で確かめましょう。
借地権しゃくちけん
建物を建てるために、他人の土地を借りる権利です。
1992年8月より前に始まった借地は旧借地法、それ以降は借地借家法が適用されます。借地借家法には、更新のある「普通借地権」と、期間が終わると土地を返す「定期借地権」があります。借地の上の建物を売る・建て替えるときは、地主の承諾と承諾料が必要になることが多く、毎月の地代や更新料もかかります。
菊池のひとこと:借地の物件は所有権の物件より安い一方、住宅ローンを扱う金融機関が限られます。契約書の内容(期間・地代・更新料・承諾料)を必ず確認してください。
⑧ マンション
管理費・修繕積立金かんりひ・しゅうぜんつみたてきん
管理費はマンションの日常の管理に、修繕積立金は将来の大規模修繕に備えて、毎月払うお金です。
管理費は清掃・管理会社への委託・共用部分の電気代などに使われます。修繕積立金は、外壁や屋上の防水、給排水管などの大規模な修繕のために積み立てます。最初は安く、後から段階的に上げる計画のマンションが多く、国土交通省は均等に積み立てる方式を望ましいとしています。
菊池のひとこと:中古マンションを買う前には、修繕積立金の残高、今後の値上げ予定、滞納の有無を「重要事項調査報告書」で確認しましょう。住宅ローンとあわせた毎月の支払いで予算を考えてください。
大規模修繕だいきぼしゅうぜん
マンションの外壁・屋上・給排水管などを、十数年ごとにまとめて修繕する工事です。
長期修繕計画にもとづき、管理組合が総会で決めて実施します。費用は修繕積立金から払い、足りないときは一時金を集めたり、積立金を値上げしたり、借入れをしたりします。工事の発注を巡って、管理会社やコンサルタントが特定の業者に有利に進める不正が問題になったこともあります。
菊池のひとこと:築年数が進んだマンションは、次の大規模修繕の時期と、積立金が足りているかが価格に影響します。購入前に長期修繕計画を見せてもらいましょう。
区分所有・管理組合くぶんしょゆう・かんりくみあい
区分所有は、マンションの一室(専有部分)を所有し、廊下や外壁などの共用部分を他の所有者と共有する形です。所有者全員で管理組合をつくります。
区分所有法にもとづき、マンションを買うと自動的に管理組合の一員になります。共用部分の使い方や修繕は、管理規約と総会の決議で決まります。ベランダや玄関ドアは専用で使えても共用部分にあたるため、勝手に変えることはできません。
菊池のひとこと:管理規約で、ペットの飼育・リフォームの範囲・民泊の可否などが決められています。暮らし方に関わるので、購入前に読んでおきましょう。
⑨ 相続・売却・住み替え
相続登記の義務化そうぞくとうきのぎむか
相続で不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければならないという決まりです。
2024年4月1日から始まりました。正当な理由なく登記をしないと、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です。遺産分割の話し合いがまとまらない場合は、相続人であることを申し出る「相続人申告登記」で義務を果たすこともできます。
菊池のひとこと:親の家の名義が祖父母のままになっていることは珍しくありません。代が進むほど相続人が増えて手続きが大変になるので、早めに登記を確かめましょう。
遺留分いりゅうぶん
亡くなった人の配偶者・子・親に、法律で最低限保障されている相続の取り分です。
遺言で特定の人にすべての財産を残しても、遺留分を持つ相続人は、もらった人に遺留分に相当するお金を請求できます(遺留分侵害額請求)。遺留分は原則として法定相続分の2分の1(親だけが相続人のときは3分の1)で、兄弟姉妹にはありません。請求は、相続と侵害を知ったときから1年以内に行う必要があります。
菊池のひとこと:財産の大半が自宅の場合、遺留分を払うお金が用意できずに家を売ることになる例があります。遺言を書くときは、遺留分と払うお金の準備もあわせて考えましょう。
成年後見制度せいねんこうけんせいど
認知症などで判断する力が十分でない人のために、後見人などが財産の管理や契約を代わりに行う制度です。
判断する力が衰えた後に家庭裁判所が後見人などを選ぶ「法定後見」と、元気なうちに自分で後見人を選んで契約しておく「任意後見」があります。親が認知症になると、親名義の家を売る契約は本人ができず、後見人が必要になります。本人が住んでいた家を後見人が売るには、家庭裁判所の許可も必要です。
菊池のひとこと:「親が施設に入ったら実家を売って費用に充てる」という予定は、認知症が進むと実行できなくなります。元気なうちに家族で話し合い、任意後見や家族信託も検討しておきましょう。
居住用財産の3,000万円特別控除きょじゅうようざいさんのさんぜんまんえんとくべつこうじょ
自分が住んでいる家(マイホーム)を売ったときに、売却の利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける特例です。
利益が3,000万円以下なら、譲渡所得の税金はかかりません。住まなくなってから3年目の12月31日までに売ることや、配偶者・親子など特別な関係の人への売却でないことなどが条件です。特例を使うには確定申告が必要です。住み替え先で住宅ローン控除を受ける場合とは、原則として一緒に使えません。
菊池のひとこと:住宅ローン控除と、どちらを使うほうが得かは人によって違います。売る前に、売却の利益と控除額の両方を計算しておきましょう。
空き家の3,000万円特別控除あきやのさんぜんまんえんとくべつこうじょ
相続した親の家(空き家)を売ったときに、売却の利益から最高3,000万円を差し引ける特例です。
1981年5月31日以前に建てられた家で、亡くなる直前まで親が一人で住んでいたことなどが条件です。相続から3年目の12月31日までに売り、売却代金は1億円以下である必要があります。家を耐震改修するか取り壊してから売るのが原則ですが、売った翌年の2月15日までに買主が行う場合も対象になります。相続人が3人以上の場合は、1人あたり2,000万円になります。2027年12月31日までの売却が対象です(2026年10月時点)。
菊池のひとこと:期限を過ぎると使えなくなる特例です。相続したらまず、この特例が使えるかと期限を確認しましょう。
リースバック・リバースモーゲージりーすばっく・りばーすもーげーじ
どちらも自宅に住み続けながらお金を得る方法で、リースバックは家を売って家賃を払う方法、リバースモーゲージは家を担保に借りる方法です。
リースバックは、自宅を不動産会社などに売り、その後は賃貸として住み続けます。まとまったお金が入る一方、売却価格は相場より低くなりやすく、家賃の支払いが続き、契約期間が決まっていることもあります。リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借り、亡くなった後に家を売って返す仕組みで、生きている間は利息だけを払うタイプが多くあります。
菊池のひとこと:どちらも、売却価格・家賃・金利・契約期間・家族の同意など、確かめることが多い方法です。契約する前に、家を普通に売る場合や住み替える場合と比べてください。
計算ツールで試してみる
よくある質問
- Q. 頭金はいくら用意すればいいですか?
- A. 決まった額はありませんが、諸費用は現金で払うのが基本なので、まず諸費用分(物件価格の数%)を用意し、さらに生活費の半年分ほどを手元に残せる額を頭金の目安にしてください。くわしくは「頭金・自己資金」「諸費用」をご覧ください。
- Q. 変動金利と固定金利、どちらを選べばいいですか?
- A. 金利が上がったときに返済額が増えても家計が耐えられるなら変動金利、返済額を最後まで確定させたいなら固定金利が向いています。「変動金利」「全期間固定金利・フラット35」と、関連記事で比べ方を解説しています。
- Q. 住宅ローン控除はいくら戻りますか?
- A. 年末のローン残高の0.7%が上限で、住宅の種類や省エネ性能、世帯の条件で変わります。住宅ローン控除の計算ツールで、条件を入れて試算できます。
出典:国税庁、国土交通省、住宅金融支援機構、財務省「令和8年度税制改正の大綱」ほか。制度の内容は2026年10月時点のもので、改正されることがあります。最新の内容は各機関の公式サイトでご確認ください。
最終更新日:2026年10月19日